硬貨の中では一番価値が低い1円玉。
道に落ちていても拾う人は多くないでしょうし、ドンキ○ーテでは4円までご自由にお使いくださいとレジ横に大量に置かれている始末(一部店舗)。
そんな1円玉、数十銭くらいのコストで製造されていると思いきや、意外と高いコストでした。
いくらで作られているのでしょうか?
1円玉の原価
1円玉の原料はアルミニウムです。
アルミニウムは軽くてまずまず丈夫な素材ですので飛行機の一部やお酒やジュースの缶にも使われていますね。
では1円玉を1枚作るための原価はいくらなのでしょうか!
造幣局はオフィシャルな見解では、1円は1円、10円は10円の価値があると公表していますが事実は違っています。
まず、1円玉1枚あたりのアルミニウムの原価は約0.7円です。
造幣局は調達した地金から自前の工程で硬貨を鋳造するのですが、アルミニウムの原価と製造にかかるコストを加味すると、1円玉を1枚作るのに1円50銭~70銭かかる計算となります。
つまり1円玉を作ることは原価割れしているのです。
税金でお金を作っているのに、「1円に1円以上かけて作るのは無駄じゃないか!こんな理不尽な話があるのか!」とあなたは思うかもしれません。
しかし実は1円玉以外の硬貨や紙幣で製造コストを調整しているので問題は無いのです。
5円玉の場合は1枚当たりの製造コストは約2円60銭、10円玉は約2円80銭、50円玉と100円玉は約13円かかっており、原価割れにはなっていません。
紙幣に至っては1000円札は約15円、5000円札が約21円、1万円札は約22円と製造費がかなり安くなっています。
つまりトータルで考えると1円玉だけが原価割れしていても赤字にならないので、大した問題ではありません。
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1円玉の製造量
1円玉の製造量も昔と比べてかなり減少しており、1990年に約27億7000枚作られていたものが、2009年には4800万枚にまで減り、2016年には製造を中止しました。
2019年の1円玉の流通量は約375億枚です。
消費税が10%になり、電子マネーも普及してきた現在、1円玉の需要は急速に落ちています。
隠れコラム「みんなが1円要らないって俺にくれたら375億だ!置けないけど」
1円を笑うものは1円に泣くと言われています。
1円は1円以上の価値があると思って大切にしましょう。
結論
1円玉の製造コストは1円以上。