日本全域に生息する淡水魚の「ギンブナ」。
昔から食用として釣られ、甘露煮や塩焼き、洗いなどで郷土料理として現在も親しまれています。
このギンブナですが、変わった繁殖方法で子孫を残しています。
トンデモない増え方をする魚なのですが、一体どんな増え方をするのでしょうか?
ギンブナの生態
ギンブナはコイ科に属する淡水魚の一種で日本をはじめ中国や韓国、台湾などに生息しています。
池や沼、川の流れが比較的穏やかな場所に住んでいます。
雑食性で動物プランクトン、付着藻類、底生動物などを食べます。
特にユスリカの幼虫やイトミミズ等の底生生物、小型の水生節足動物を好んで食べる傾向にあります。
成長すると大きさは30cm程になり、食用にも適しています。
繁殖は春から初夏にかけておこなわれ、浅瀬の水没草本、枯れ枝、水草などに粘着性の卵を産み付けます。
日本周辺にしか生息していない為、英名は「Ginbuna」(ギンブナ)です。
クローンを作って繁殖するギンブナ
ギンブナの繁殖方法は普通に見えて実は非常に変わっています。
交尾はするのに受精はせず、クローンの子供を作り続けます。
ギンブナは生まれてくる子供がほとんどがメスなので、そのメスが子孫を残す時に無性生殖を行います。
つまり自分と同じ遺伝子を持つクローンの子供を産み出しているのです。
ギンブナはクローンを産み出す無性生殖ですが、産んだ卵からそのまま子供が産まれる単為生殖と違い、ちゃんと交尾をしないと卵から稚魚は産まれません。
卵から稚魚が産まれるためにはオスの精子の刺激が必要になります。
繁殖期の4~6月になるとギンブナのメスは浅瀬の水草などに卵を産み付けます。(一度の産卵で10万個も!)
産み付けた後は特殊なフェロモンを出し、ギンブナ以外のフナ「ナガブナ」「キンブナ」「ニゴロブナ」といった別種のオスを招き、精子をかけさせます。
別種の精子なので受精はしませんが、卵子に入ろうとする精子の刺激で新たな命が誕生するという実に不思議な繁殖なのです。
ギンブナの卵子を刺激できる精子ならば何でもよく、金魚やドジョウ、コイと交尾しても子供がちゃんと産まれてきます。
隠れコラム「ニンゲンとギンブナが愛し合っても子供が産まれるのだろうか・・・」
ほんの僅かだけギンブナのオスも存在し、有性生殖を行いますが、効率が悪いためほとんどが無性生殖になっています。
結論
ギンブナは他の種の魚と交尾してクローンを産み出す変な魚!
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