日ごろから様々なお茶を私たちは飲んで生活しています。
日本の緑茶、イギリスの紅茶、中国のウーロン茶(烏龍茶)など、お茶は世界中で飲まれていますが、これらに共通点はあるのでしょうか?
味も違えば風味も違い、色も全く違います。
お茶という共通点以外特になさそうですが、実は意外な共通点があったのです。
緑茶、紅茶、ウーロン茶の共通点
緑茶も紅茶もウーロン茶も、もとは同じお茶の木の芽や葉からできています。
原材料は全て同じお茶の葉であり、その製法の違いによってそれぞれ異なる風味をもつお茶になります。
そして、そのポイントはお茶の中の酸化酵素にあるのです。
緑茶について
緑茶の製法ですが、お茶の葉をつんだらすぐに加熱します。
つんだお茶は、放置しておくと酸化酵素によって醗酵してしまいますが、すぐに加熱するとその働きが止められます。
加熱が終わったら、よく乾燥させます。そして、お茶を入れて飲むときにその成分がよく出るように、もみひねり機という機械で十分にもんだらできあがり。
最初に加熱して、茶葉をまったく醗酵させない緑茶は不醗酵茶と呼ばれます。
紅茶について
緑茶とは対称的に、茶葉をよく醗酵させるのが紅茶です。
葉をつんだら、室内に広げて自然乾燥させます。
その後、もみひねり機にかけたら、醗酵室に入れて十分醗酵させます。
そして最後に、火力による乾燥機に入れて醗酵を止めて完成です。
加熱がいちばん最後になるので、お茶の酸化醗酵の働きが長く維持されているのが特徴です。
したがって紅茶は醗酵茶と呼ばれ、長時間の醗酵がお茶に含まれるタンニンに作用して、独特の渋みと色をつくり出します。
ウーロン茶について
ウーロン茶(烏龍茶)は半醗酵茶といって、緑茶と紅茶の中間に位置するお茶です。
つんだ茶葉は日なたに広げて天日で数十分間干します。
そのあと室内に入れて、かき混ぜながら水分を蒸発させます。
次に、もみひねり機で十分もみ、最後に乾燥機にかけてできあがりです。
基本的には1本のお茶の木から、緑茶も紅茶もウーロン茶もつくれます。
ただし、それぞれの製法に適した品種があるので、厳密にいうと同じ木ではありません。
お茶の木というと、高さのそろった背の低い木を思い浮かべますが、あれは栽培・収穫するうえで便利だから、背が高くならないようにしているだけです。
高級なお茶を作る為にしっかり育てて背を高くしてから収穫するものもあります。
緑茶の種類について
ちなみに、同じ日本のお茶でも煎茶、ほうじ茶、番茶、玉露などの種類があります。
煎茶は先ほど説明した緑茶のことですが、煎茶用に若芽をつみとったあとで伸びてきた葉や茎を使ってつくったのが番茶です。
茶葉にもピンからキリまであり、煎茶の下級品の茶葉はほうじ茶になります。
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上質な茶葉よりも香りが落ちるため、強火で焙じます(火であぶって湿気を取る)。
そのため、あの黒っぽい色や香ばしい風味になるのです。
玉露は最優良の煎茶で、苦みが少なく甘みが多いのが特徴。京都の宇治などが有名な産地です。
結論
緑茶も紅茶もウーロン茶も元は同じ茶葉。