シロアリと聞くと戸建てのマイホームを持つ方は嫌な気持ちになるかもしれません。
シロアリは木造住宅の敵なので、家が食べられるかもしれないと不安に思う方は多くいます。
一般的にシロアリは「害虫」のイメージですが、地球にとっては倒木や朽ち木を分解してくれる益虫なのです。
シロアリがいないと森の生態系が崩れてしまいます。
地球上で最も多く存在する昆虫とも言われているシロアリ、実は超長生きする昆虫でもあったのです。その秘密にせまります!
今回の記事には実際のシロアリの画像を使っています。苦手な方はご注意ください。
寿命は50年?長寿昆虫シロアリ
あなたは虫の寿命を意識したことがありますか?
カブトムシを飼っていたり、昆虫採集をしていた方は何となく一般的な虫の寿命をご存知だと思います。
例えばカブトムシの寿命は約1年、セミの寿命は約7年といった具合です。
ちなみに昆虫全体の寿命の平均は約2ヶ月と言われており、非常に短いです。
そんな中、50年生きる虫がいると知ったら驚きますよね?それがシロアリなのです。
とはいえ、シロアリ全てが50年生きる訳ではありません。
シロアリにも種類や役割があり、その種類や役割ごとに寿命が変わります。
シロアリの役割は以下の通りです。
シロアリの役割
・王・女王 →卵を産み子孫を残す
・兵隊アリ →外敵と戦う
・働きアリ →巣を作る、食料調達、卵の世話
50年以上生きるシロアリは「ヤマトシロアリ」の「王」です。
ヤマトシロアリは日本に生息している比較的身近な白アリです。
そのなかでも「王」の寿命が50年以上とずば抜けて長いのです。
昆虫の平均寿命が2ヶ月なので、ざっと300倍は生きる計算になります。
人間の寿命を80歳とすると、24,000歳生きる人間みたいなイメージです。
ちなみに「王」以外の役割でもシロアリは長生きです。
女王は25年以上生きます。
少しグロイので擬人化させてみます。
その他の役割のシロアリですが、兵隊アリがおよそ10年、働きアリはおよそ5年生きます。
小さな小さなシロアリですが、働きアリでも5年生きるので、昆虫の平均寿命の30倍は生きるのです。
シロアリ、長寿のヒミツ
なぜ王や女王アリは長生きできるのでしょうか?それは生活している場所と食べている物に秘密がありました。
まず住んでいるところですが、地面下の木の根っこの中心部で非常に硬い所に住んでいます。
根っこの中枢に近づくにつれて兵隊アリの警備が厳しくなってくるので王の居場所の検討がつきやすくなっています。
そして王の居場所は低酸素状態になっています。
酸素が薄いと老化の原因となる活性酸素が体内に発生しにくくなるので長生きにつながります。
シロアリは酸素を使わない代謝を身につけています。
王や女王は激しい運動をせず、じっとしているので無駄なエネルギーを使うことなく長期間生きていけるのです。
ロイヤルフードによる延命効果
王はシロアリにもかかわらず木を食べる事ができません。
代わりに働きアリから特別な物をもらって生きています。
研究者はそれをロイヤルフードと呼んでいるのですが、働きアリの唾液腺で生成されて吐き戻してつくられます。
そのロイヤルフード(白色)を口移しで王に食べさせるのです。
ハチの世界と比較した時、女王バチはローヤルゼリーを食べていたとしても寿命が5年程度です。
シロアリの王はロイヤルフードを食べ続けて50年生きるので、いかにロイヤルフードの栄養価が高いかがうかがい知れます。
現在ロイヤルフードの成分は医科大学などで研究されていますが、人類が知らない成分が入っていたり、美容や滋養強壮に効果がある成分が入っていたりとの事で、詳しく調べて特許申請するとの事です。
隠れコラム「ロイヤルフードがコロナやインフルに効けばシロアリのイメージは良くなるかも?」
結論
シロアリ(王)の長生きのヒミツは低酸素状態のVIPルームとロイヤルフードにあった。