リンゴを切った時に中央に黄色くて半透明の「ミツ」が入っていると、テンションが上がるという方は多いと思います。
ミツが入っていないリンゴより入っているリンゴの方が何となく甘いような感じがするのですが、ミツ自体は本当に甘いのでしょうか?
ミツは甘いのか?
リンゴをミツごと丸かじりするとどの部分が甘いのか分かりません。
ですのでミツの部分だけを複数個集めてジュースにして飲んだ実験があります。
結果は・・・
・・・
「あっ・・・あんまり甘くない」
予想に反してミツだけ集めたジュースはあまり甘くありませんでした。
原因は何でしょうか?
リンゴのミツの正体
リンゴのミツの部分を糖分分析計にかけてみると、甘さを有する「果糖」の成分が多くない事が分かりました。
ミツを使わずに作ったリンゴジュースと比較すると、果糖の量は半分程度でした。
隠れコラム「ミッツマングローブさんも甘くないキャラだよね」
ミツの部分は果糖の代わりに「ソルビトール」という成分が非常に多かったです。
ソルビトールとは?
ソルビトールとは、単糖の一種であるグルコースを還元することによって得られる糖アルコールです。
ソルビトールには、人間の小腸において分解や吸収がされないという特性があります。
保湿性に優れていること、カロリーが低いこともソルビトールの大きな特徴として知られており、食品添加物として使われることも多い成分です。
ソルビトールは果糖の50%ほどの甘さしかありません。
これがミツだけで作ったジュースがあまり甘くなかった理由です。
それでもミツ入りリンゴが甘い理由
ミツは甘くないと理解できましたがそれでもミツ入りリンゴは甘くて美味しいですよね?
これには理由があります。
リンゴは葉で光合成によりでんぷんを作り、それがソルビトールに変化して果実にとどきます。
果実では分解がさらに進み、果糖などのより甘い糖になります。
しかしリンゴが完熟すると果実内の糖は飽和状態になります。
糖が飽和状態になるとソルビトールが分解されないまま果実の中に蓄積されます。
これがリンゴのミツの正体なのです。
ミツ自体は甘くないですが、ミツ入りリンゴは完熟して甘いという証なのです!
隠れコラム「ジブリの画像が一部フリー素材化したので常識の範囲内で使ってみました(汗)」
結論
リンゴのミツ自体は甘くないが、ミツ入りリンゴは完熟していて甘い!