牡蠣の産地といえば、広島県や宮城県が有名ですね。
他にも岡山県の日生や北海道の厚岸やなど、さまざまな場所で牡蠣が養殖されています。
しかしアメリカでは日本の牡蠣はすべて「クマモトオイスター」や「KUMAMOTO」などと呼ばれています。
一体なぜ熊本(クマモト)なのでしょうか?
隠れコラム「くまもんやふなっしー、見なくなったなあ・・」
クマモトオイスターの由来
クマモトオイスターと呼ばれるようになった理由は第二次世界大戦後までさかのぼります。
1945年、GHQは日本に戦時中絶えていた牡蠣の輸出を命じます。
橋渡しをしたのはあの有名なマッカーサー元帥です。
アメリカは当時から牡蠣の一大消費国で、戦前も日本から輸入していた実績があったため、マッカーサー元帥はそれを再開するよう求めました。
ところが、牡蠣の産地である広島市は被爆し、復興でそれどころではなく、宮城県も戦争の影響で出荷できる牡蠣が少量しか生産できない状況でした。
そこで目をつけたのが牡蠣の養殖が盛んに行われていた熊本県だったのです。
そこで、当時海苔や牡蠣を研究していた太田芙桑男氏が任命され、熊本県において種牡蠣の輸出作業を指導することになりました。
まもなくマガキの輸出が始まりましたが、欧米には、牡蠣は生のまま一口で食べるのが一番美味しいという牡蠣食文化があり、大きく育ってしまう日本のマガキはあまり人気となりませんでした。
太田氏はマガキ以外の牡蠣の養殖、輸出を余儀なくされます。
そこで太田氏は熊本県に面する八代海や有明海に自生する地元特融の小ぶりな牡蠣「シカメガキ」に白羽の矢を立てました。
欧米では小粒な牡蠣が好まれることから、輸出する牡蠣を小さいサイズのシカメガキ中心に切り替えたところ大成功しました!
熊本からアメリカに牡蠣が送られたのは、終戦から6年あまりたった1951年のことでした。
その後、その味に惚れ込んだアメリカ人が自国でその種牡蠣を使い、みごと養殖に成功したのです。
熊本県がルーツとなる牡蠣だった為、「クマモトオイスター」や「KUMAMOTO」という名前で流通し、今に至る訳です。
小ぶりでクリーミーな味はマッカーサー元帥もお気に入りだったと言われています。
結論
アメリカで日本の牡蠣が「クマモトオイスター」と呼ばれているのは、戦後に熊本からおいしい牡蠣の輸出を行っていたため。
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