アイガモ農法といえば、アイガモのヒナを田植え後の田んぼに放し、害虫や雑草を食べてもらう農法です。
アイガモが田んぼの中の害虫や雑草を食べてくれれば、農薬を使わずに済みますし、アイガモの排泄する糞が田んぼの養分になります。
アイガモは田んぼを移動する際に、くちばしや足で田んぼの泥水をかき回し、稲の根に酸素を供給します。
また、水がかき回されることで雑草の繁殖も抑えることが出来ます。
鳥であるカモだけに一石二鳥、いや一石三鳥くらい良いことずくめに思えるアイガモ農法ですが、いつか鴨の役目が終わる時が訪れます。
役目を終えた鴨たちはどうなってしまうのでしょうか?
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アイガモが役目を終える時
アイガモが役目を終える時、それは稲穂が出はじめた時です。
今まではイネに付く虫を食べていましたが、今度は実った穂を食べようとするのでいつまでも放しておくわけにはいきません。
穂がみのる頃には雑草も伸びにくくなっていますので、アイガモの必要性がありません。
この頃にアイガモは役目を終えるのですが、その後のアイガモを農家がペットとして可愛がって育てるわけではありません。
アイガモ農法におけるアイガモの数は、何十羽から何百羽にもなります。
ずっと飼うとなると、野生の昆虫や作物を与える訳にはいきませんのでエサ代がかなりかかりますし、世話も大変です。
食べられるアイガモ
結局、役目を終えたアイガモは業者にひきとってもらい、カモ肉として出荷されます。
ただし、業者にアイガモが引き取られるのはお役御免になってすぐではありません。
お役御免になった直後のアイガモは、ヒナから少し成長した段階にすぎず、カモ肉として食べるには身が少なく早すぎます。
それゆえ、役目を終えてから農家で数ヶ月飼って、成長して脂がのってきたころに業者に引き渡すようです。
農家にアイガモの売却益が多く入れば商売になるのですが、なかなかうまくはいかないようです。
実はアイガモの毛は硬くて抜きにくいので食肉にするのに手間がかかります。
肉自体は美味しいのですが、食肉にしても輸入アイガモの金額が安いため、価格を上げられず儲かりにくいのです。
隠れコラム「不謹慎カモしれないが美味しそう...」
お金を出してまで引き取ろうという業者は少なく、農家がお金を出してようやく引き取ってもらっている、もしくは食肉加工してもらうケースが少なくないとの事です。
それが出来ない場合は自らシメて食料にします。
ただ、百羽近いアイガモをシメる作業はとても大変ですし、多少なりとも愛着が湧いたカモをシメるのは抵抗があるとの事です。
結論
アイガモ農法で役目を終えたカモは食べられる。