1989年に公開されたスタジオジブリの代表作【魔女の宅急便】。
宮崎駿監督の長編映画第5作目となる【魔女の宅急便】ですが、公開から30年以上経った現在でも名作として語り継がれています。
定期的に日本テレビの金曜ロードショーでも放送していますが、主人公キキが見知らぬ土地で様々な人と関わりながら成長していく様子は何度見ても感動します。
今回のゆるコラムではその魔女の宅急便をさらに楽しむための雑学・トリビアを15種類+αご紹介致します!
Contents
- 1 魔女の宅急便は一人の女性の成長を描いた映画
- 2 ユーミンの楽曲が使用された理由
- 3 コリコの街は北欧の国々の特徴を合わせた街
- 4 キキとウルスラの声は同じ声優が担当
- 5 一人三役を演じた声優がいる
- 6 パン屋のおソノさんは元ヤンキー?
- 7 アンパンマンとおソノさんの共通点
- 8 ウルスラの絵は元となる絵があった
- 9 宮崎駿監督ソックリの男性が登場している
- 10 キキは別のジブリ作品にも登場している
- 11 魔女の宅急便のスポンサーはヤマト運輸
- 12 魔女の宅急便の興行収入はトトロの約3倍
- 13 キキが両親に送った手紙に誤字が?
- 14 宮崎駿監督が気に入っているシーン
- 15 結局トンボとはどうなるの?
- 16 まとめとおまけ雑学
魔女の宅急便は一人の女性の成長を描いた映画
魔女の宅急便には様々な女性キャラクターが登場しますが、根本的には一人の女性が成長したものというイメージです。
それぞれのキャラクターが各年代を代表する女性として描かれています。
キキ(13歳)が成長してウルスラ(18歳)になり、さらに成長しておソノさん(26歳)、続いてキキの母親であるコキリ(37歳)、最後はキキの為にケーキを焼いてくれた老婦人(70歳)へ成長するというイメージです。
宮崎駿監督は、キキが成長した未来の姿を投影する人物を登場させたそうです。
隠れコラム「私は電気は嫌いです!というおばさんは入っていないんだ・・・あとデザイナーのマキさんも」
ユーミンの楽曲が使用された理由
魔女の宅急便の主題歌にはユーミン(荒井由実さん)の「ルージュの伝言」と「やさしさに包まれたなら」が採用されました。
どちらの楽曲も魔女の宅急便公開の1989年より14年以上前に発表された楽曲という珍しいチョイスでしたが、映画公開当時はリバイバルヒットとなりました。
なぜユーミンの楽曲が選ばれたのか?
それは主題歌を決定する際にプロデューサーである鈴木敏夫が会議直前に行ったユーミンのコンサートに影響され、ユーミンの楽曲を使うように監督の宮崎駿に提案したからでした。
また、宮崎駿監督は若い頃にユーミンの楽曲を聴いていたので、それが採用につながったとの事でした。
コリコの街は北欧の国々の特徴を合わせた街
キキが家を離れて一人暮らし(猫もいます)を始める街が「コリコ」という街です。
コリコの街は半島の先に浮かぶ島に築かれた街で、5つの橋で本土と結ばれているとの事です。
コリコの街のイメージですが、スウェーデンのストックホルムやゴットランド島のヴィスビュー、リスボン、ナポリ等の風景を織り交ぜているそうです。
アメリカのサンフランシスコの要素も若干入っているとの事です。
ちなみに宮崎駿監督自身が1988年(昭和63年)5月に個人的に旅行した国々との事です。
キキとウルスラの声は同じ声優が担当
意外と知らない方が多いのですが、実は主人公のキキとウルスラの声優さんは同じです。
名探偵コナンの声優でおなじみの「高山みなみ」さんが担当しています。
当時高山みなみさんは声優3年目で、ウルスラの役のみ演じる予定でした。
しかし、主人公のキキの声優が決まらず、オーディションを行なった結果、ウルスラ役の高山みなみさんがキキに適役だ!と選ばれました。
今度はウルスラ役をどうするか?という判断を迫られましたが、結局は一人二役を演じる事になりました。
魔女の宅急便のテーマが一人の女性の成長なので、結果的には一人二役がしっくりくる形となりました。
一人三役を演じた声優がいる
前項で高山みなみさんが一人二役を演じたとご紹介しましたが、実は一人三役をこなしていた声優さんがいらっしゃいました。
その方は超有名声優の「山寺宏一」さんです。
えっ?魔女の宅急便に登場するキャラでは誰の声優なの?と思われたかもしれません。
主人公級のキャラではないのですが、何気ない場面で印象に残るキャラの声を担当しています。
山寺宏一さんが演じるキャラは
ポイント
・キキを捕まえようとする警官
・フクオ(おソノの夫)
・冒険号事故を報道するアナウンサー
です。
フクオなんてセリフがあまり無いはずなのですが、個性的な発声なので記憶に残ります。
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パン屋のおソノさんは元ヤンキー?
おソノさんといえば気立てが良く、困っているキキを居候させてくれたパン屋のおかみさんです。
親切で面倒見が良く、キキに心をひらいてくれた最初の人物なので物語の中でも重要なキャラクターです。
そんなおソノさんですが、当初は元ヤンキーの設定だったとの事です。
映画の製作当時、スタッフの中で
「年齢の割にしっかりしているから、昔はいろいろとヤンチャもしていたに違いない。もしかしたら暴走族だったのでは?」
との話が持ち上がりました。
最終的には暴走族の設定は立ち消えましたが映画のパンフレットに
「青春時代、それなりにツッパった経験を持つ」
とプロフィールが書かれています。
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アンパンマンとおソノさんの共通点
アンパンマンとおソノさんには意外な共通点があります。
パン屋さんに関係するキャラクターというのも共通点ではありますが、実はアンパンマンとおソノさんは同じ声優さんなのです。
声優の名前は「戸田恵子」さんで、アンパンマンの声を公開当初から担当されています。
女優としてもご活躍されていますのでご存知の方は多いかと思います。
ちなみにアンパンマン繋がりでいくと、おソノさんの夫であるフクオ(山寺宏一さん)は犬のチーズと同じ声優ですし、黒猫のジジ(佐久間レイさん)はバタコさんと同じ声優です!
ウルスラの絵は元となる絵があった
映画の後半でウルスラがキキを描いた絵だとキキに伝えるシーンがありますが、実はその絵には元となる絵がありました。
青森県の八戸市湊中学校養護学級の生徒さん達が製作した版画「虹の上をとぶ船」です。
一部加筆の上使用されていますが、元の絵にはキキをモデルにしたという少女は描かれていないそうです。
宮崎駿監督ソックリの男性が登場している
飛行船「自由の冒険号」がシティタワーに衝突し、キキがトンボを救出するところがテレビ中継される場面があります。
トンボが救出された後にテレビに集うやじ馬に向かって、「あのデッキブラシはわしが貸したんだぞ!」とおじさんが言い放つシーンがあります。
その場面の右上隅にいるのが宮崎駿監督と言われています。
スタジオジブリ公式のフリー画像にはそのシーンが無かったので是非映画をみて探して下さいね!
キキは別のジブリ作品にも登場している
1994年の7月に公開されたスタジオジブリの作品「平成狸合戦ぽんぽこ」に魔女の宅急便のキキが一瞬登場します。
映画の終盤でタヌキたちが妖怪に化けて百鬼夜行を行うのですが、そのシーンに登場します。
ほうきに乗って夜空を飛んでいます!
隠れコラム「この映画、映画館でがっつり観たわ~!最後は切ない気持ちになった。」
魔女の宅急便のスポンサーはヤマト運輸
黒猫が登場し、キキが荷物を運び、そもそもタイトルに「宅急便」と入ってる・・・ここまでヤマト運輸を連想させるコンテンツはありませんので、ヤマト運輸がちゃんとスポンサー契約しています。
当初は「魔女の宅急便」というタイトルがヤマト運輸の商標権にふれて問題になったと話題になりました。
「宅急便」という言葉はヤマト運輸が商標登録していたからです。
原作者の角野栄子さんは第一作刊行時に宅急便がヤマト運輸の登録商標であることを知らなかった為に問題になったそうです。
映画化に至り、ヤマト運輸と正式なスポンサー契約を締結する事で問題は解決しました。
魔女の宅急便のアニメをそのままヤマト運輸のCMにしたものもありました↓↓↓
魔女の宅急便の興行収入はトトロの約3倍
スタジオジブリの代表作は?という質問があるならば、「となりのトトロ」を挙げる方が多いと思います。
大人から子供まで幅広い層に受け入れられて、登場キャラも可愛くグッズの売れ行きも好調で・・・というイメージがあるかと思いますが、実は公開当時は興行的に失敗に終わった作品です。
興行収入は11.7億円ですが、火垂るの墓と同時上映であり、製作費がトータル12億円かかっていた為、3000万円の赤字でした。
この失敗を受け、後がないスタジオジブリはトトロと火垂るの墓の時と打って変わって宣伝活動に本腰を入れました。
クロネコヤマトをスポンサーにそえ、広告宣伝、テレビCMなどプロモーション活動に全力を注ぎました。
プロモーションの影響は大きく魔女の宅急便は興行収入36.5億円の大ヒット(当時の日本のアニメーション映画の興行記録を更新)を記録できたため、スタジオジブリを存続させることに成功しました。
キキが両親に送った手紙に誤字が?
映画のラストシーンでキキのドジな一面がみられます。
両親に送った手紙が一瞬画面に現れますが、その中に「友達」という漢字が書かれており、その「達」の横棒が一本少なくなっています。
宮崎駿監督が気に入っているシーン
魔女の宅急便の終盤手前、やさしい老婦人が作ったニシンのパイが届けられた時に「わたしこのパイ嫌いなのよね」と孫娘が言うシーンがあります。
孫娘を想う気持ちが込められ、キキが一生懸命運んだニシンのパイが全然喜ばれていない事実にショックを受けた方は大勢いらっしゃるのではないかと思います。
実はこのシーンを宮崎駿監督は気に入っているとの事です。
宮崎駿監督は
「僕はあのパーティーの女の子が出てきた時のしゃべり方が気に入ってますけどね。
あれは嘘をついていない、正直な言い方ですよ。
本当にいやなんですよ、いらないっていうのに、またおばあちゃんが料理を送ってきて、みたいな。
ああいうことは世間にはよくある事でしょ。
それはあの場合、キキにとってはショッキングで、すごくダメージになることかもしれないけれど、そうやって吞み下していかなければいけないことも、この世の中にはいっぱいあるわけですから」
と言われています。
人間が成長する上で、良い面ばかり見ててもダメだ、清濁併せ吞む必要があるという事ですね。
結局トンボとはどうなるの?
喧嘩したり仲良く話したり、キキとトンボの関係って気になりますよね?
この2人がどうなっていくのか知りたいですか?
詳しくは原作を読んで頂きたいのですが、ざっとネタバレをお伝えします。
見たくない方は飛ばしてね!
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20代でトンボとキキは結婚、子供(娘)ができます。
30代半ばに娘をしきたりで街の外に送り出します。
なかなか幸せそうで良かったです。
ちなみにトンボの声優である山口勝平さんとキキの声優である高山みなみさんは今でも名探偵コナンの主役を務めています。
高校生の工藤新一が山口勝平さん、小学生のコナン君が高山みなみさんです。
まとめとおまけ雑学
いかがでしたか?
あなたが知らない魔女の宅急便の雑学はありましたか?
15種類選んで記載しましたが、書ききれなかった雑学もいっぱいありますのでおまけとして短く紹介しますね!
おまけ雑学
・「STUDIO GHIBLI」とロゴの入ったバスがどこかに登場する
・キキは当初ロングヘアーの設定だった
・派手なシーンが必要という事で終盤に飛行機事故が追加された
・キキの大きなリボンは思春期を表すアイテム
・キキのモデルのヒントは鈴木敏夫プロデューサーの13歳の娘
・・・まだまだ雑学はありそうですがこの辺りで終わりますね!
雑学を知った後は必ず魔女の宅急便を観てくださいね!
もっともっと魔女の宅急便が楽しめますよ!
※このサイトで使用しているジブリの画像はスタジオジブリ作品静止画集から引用しています。