夏場に発生し、人間の血を吸いにくるとても厄介な昆虫の「蚊」ですが、蚊に刺された瞬間を察知できる人は少ないと思います。
医療現場に採用される程、蚊の口(刺針)は凄い作りになっていました!
蚊に刺された際、なぜ痛みを感じないのか?
蚊に刺されても気付かない理由、それは蚊の針のメカニズムにあります。
蚊の針は約80マイクロメートルの細さですが、深く刺されば痛みを感じるはずです。
そこで蚊は下唇と呼ばれる針のケースから6本の針を、段階を追って皮膚に突き刺します。
まず、2本のノコギリ状のアゴ針を突き立て、次に下咽頭と呼ばれる針を刺します。
この時に皮膚を引き裂かれる痛みを感じさせないよう、麻酔成分として唾液を注入します。
この唾液が体内でアレルギー反応を起こしてかゆみとなりますが、まだまだ作業は続いていきます。
隠れコラム「かゆい成分じゃなくて気持ちいい成分入れてよね!」
皮膚の感覚が麻痺すると、吸血のための最重要針となる上唇と、開口部の蓋をしている針で毛細血管を探り出し、一気に血を吸い取ります。
段階的に針を刺したり、唾液を注入する事で痛みを感じさせないようにしています。
医療現場に応用
6本もの針を使い分ける周到なメカニズムは、現在注射針の研究に応用されています。
0.1ミリ以下の3本の針を蚊の動きと同じように連動させることで、注射の痛みを軽減できるとのことです。
ちなみに蚊は血を吸い終わるまで約2分30秒かかりますが唾液の注入は約15秒ほどです。
長い間気付かれずにいるメカニズムは人知を超えた蚊の能力です。
隠れコラム「刺された後、ツメでバッテン書くよね(^^)」
蚊が寄ってくる秘密
蚊は人の体温や体臭、呼吸による二酸化炭素を感知して寄ってくるので、特に蚊に刺されやすいのは、新陳代謝が高い時、スポーツや入浴後、アルコールを飲んだ後などです。
蚊に刺されやすい血液型はO型で刺されにくいのがA型と言う説もありますが科学的な根拠はないと言われています。
最近では足に生息する菌が出す臭いが蚊を呼び寄せるという研究結果もあります。
結論
蚊は人間にとって厄介な存在だが、医療器機の進歩には貢献している存在だった!