カモメやウミネコ、ウミガメなど海岸や島、海中を生活の拠点としている生き物にも水分は必要です。
人間は真水を手に入れる方法はいくらでもありますし、陸上の動物も池や川、植物に含まれる水分を摂取できます。
しかし海を軸に生活する生き物は海水しかありません。
塩分が大量に含まれる海水を飲めば普通の生き物なら脱水症状を起こしてしまいます。
では海鳥やウミガメはどのように水分補給しているのでしょうか?
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水分補給のヒミツ
カモメやウミネコなどの海鳥は、海岸や島にすんで、海面や海中で魚類などを捕まえて食べています。
ウミガメは海中で海藻やクラゲなどを食べています。
生き物は水分がないところでは生きられません。
とはいえ、普通の生き物は海水のように塩分濃度の高い水を飲めば脱水症状を起こしてしまい、とても水分補給などできません。
しかし、海鳥やウミガメたちは、まったく真水がない大海の真ん中を飛び回って、魚を捕ったりしています。
水を飲もうとしても海水しかない環境で、彼らはどうやって水分を補給するのでしょうか。
実は海鳥やウミガメは海水を飲んで水分をとります。でも、脱水症状は起こしません。
海鳥やウミガメの体の中にはろ過装置のようなものがあり、飲んだ海水の塩分をこしとって体外に出し、塩分濃度が低くなった水分を体内に吸収するのです。
このろ過装置は塩類腺といって、両目の上のあたりにあり、ここでこしとられた塩分は鼻からくちばしを通って外に出されます(海鳥の場合)。
よくウミガメが産卵のときに涙を流すといわれますが、それも塩類腺から塩分を出しているところなのです。
隠れコラム「僕は魔女の宅急便でよく涙を流します。」
イルカやクジラはどうなの?
同じように海中を生活の拠点とするイルカやクジラはエサから水分を補給しています。
また、体内の脂肪やタンパク質が分解される時に水分が作られ、それを体内で使用します。
エサを取る時に飲み込んだ海水は皮膚に水を通す性質があり、浸透圧で徐々に塩分が排出されます。
動物園のイルカは氷を食べさせてもらう事があるようです。
結論
海鳥やウミガメは海水をろ過して水分を吸収している!