世界最大の哺乳類といえば海に住むクジラです。
種類によっては体長数十メートルにもなる巨体ですが、クジラはその巨体で海中に長くとどまる事ができます。
人間は同じ哺乳類なのに水中に1分潜っているだけでも苦しくなってきます。
ですがクジラは水中に15分ほど潜る事ができ、種類によっては60分以上潜っていられます。
エラが付いている訳ではありません。なぜクジラは長時間海に潜っていられるのでしょうか?
クジラの長時間潜水の秘密
クジラによっても潜れる時間は変わりますが、シロナガスクジラは約15分くらい潜れます。
わりとひんぱんに息をするために、その都度海面まで上がってこなければならないので、水の中で生活するにはちょっとせわしないという気がしますが、人間の潜水能力に比べればはるかに長い時間です。
しかしそのシロナガスクジラより長い時間潜れるクジラが存在します。
そのクジラはマッコウクジラで、なんと一時間以上も潜ることができます。
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それなら、クジラの肺はどんなにか大きいのだろうと思いますが、体の大きさを人間と同じくらいとみなして比較すると、人間の1.5倍位の比率しかないそうです。(あくまで比率換算で1.5倍なので実際の肺の大きさはめちゃデカいですよ)
体の半分が肺である…という訳ではないので他に秘密があります。
どうして1時間以上も潜っていられるのか不思議ですが、その秘密は呼吸の仕方が人間とはかなり違うことにあります。
呼吸の違い
人間は、普通の状態では浅い呼吸をしています。
人間の普通の呼吸では肺の中の空気は10~15%くらいしか入れ替わっていませんが、クジラは1回の呼吸で80~90%くらいを入れ替えてしまいます。
肺の大きさの違いを考えると、1回の呼吸で人間の10倍近くの酸素を取り込んでいることになります。
またクジラは、筋肉に多量の酸素をため込んでいます。
血液中のヘモグロビンによく似たミオグロビンという物質がクジラの筋肉中には多量にあって、その量は陸上の哺乳類の3〜4倍にもなるといわれています。
マッコウクジラでは、陸上の哺乳類の8~9倍ももっています。
ミオグロビンは、ヘモグロビンと同じように酸素と結びついていますが、筋肉が酸素不足になると酸素を放して補給します。
このミオグロビンが赤い色をしたたんぱく質なので、クジラの肉は濃い赤色をしているのです。
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結論
クジラは肺の大きさ、呼吸法、ミオグロビンの働きにより、長時間潜る事が出来る!
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