5月頃になると姿をあらわし始める蛍(ホタル)、夕方から夜にかけて黄色く光る姿は多くの人を魅了します。
そんなホタルですが、世界で約2000種、日本では約30種が発見されています。
日本で最も親しまれているのは、ゲンジボタルとヘイケボタルです。
両者とも、日本の各地で見られ、幼虫にも、さなぎにも発光器があります。
夜通し光っているホタルですが、体は熱くならないのでしょうか?
ホタルの光のヒミツ
光をつけた後の蛍光灯は触ると熱いので「発光=熱い」というイメージを持っているかと思います。
英語でも「firefly ファイヤーフライ」と書く為、火の熱さを連想してしまいます。
しかしこの地球上では光がすべて熱によって生じるとはかぎりません。
ホタルの光は、熱によるものではなく、生物発光によるものなのです。
ホタルは、お尻を光らせているように見えますが、発光器は腹部にあります。
発光器は透明な表皮、発光細胞からなる発光組織、その奥の反射層から成っていて、発光組織には神経と気管が縦横に走っています。
発光細胞では、ルシフェリンという発光物質が作られます。
これに、アデノシン三リン酸(ATP)とマグネシウムが作用すると、アデニルルシフェリンという中間代謝物ができます。
それが空気中の酸素によって酸化されて、黄色い光を放ちます。
この酸化が起こるときには、ルシフェラーゼという酵素が触媒として働いています。
このように、ホタルの光は完全な化学反応によって発する、熱を伴わない冷光という現象なのです。
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化学エネルギーが光エネルギーに変換し、エネルギーのほとんどが光に変わるので、熱は発生しません。
だから、ホタルは熱くはないし、光り続けてもヤケドしません。
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結論
ホタルは生物発光なので熱くならない