1988年4月に公開されたスタジオジブリの代表作【となりのトトロ】。
宮崎駿監督の長編映画第4作目となる【となりのトトロ】ですが、何世代にも渡って愛される名作であり、登場キャラクターに関するグッズも未だに大人気です。
となりのトトロはスタジオジブリを代表する作品である事は間違いありません。
今回はそのとなりのトトロをさらに楽しむための雑学・トリビアを15種類+αご紹介致します!
Contents
- 1 となりのトトロの企画当初は主人公は姉妹ではなく一人
- 2 となりのトトロのポスターには謎の人物が描かれている
- 3 となりのトトロは企画段階で「所沢のとなりのオバケ」というタイトルだった
- 4 トトロという名前はメイの誤解だった?
- 5 トトロの本当の名前と年齢は?
- 6 メイの声優が途中交代していた
- 7 トトロは別のジブリ作品にも登場している
- 8 トトロは自然の作画に物凄くこだわった作品
- 9 トトロは海外のアニメ作品にも登場している
- 10 となりのトトロは興行収入的に大失敗の作品だった?
- 11 売れに売れたトトロ人形
- 12 サツキとメイの死亡説(都市伝説)はウソ
- 13 トトロの後半、メイの影が無い理由
- 14 山形県にトトロそっくりな木がある
- 15 スタジオジブリのシンボルマークにトトロが採用された
- 16 まとめとおまけ雑学
となりのトトロの企画当初は主人公は姉妹ではなく一人
となりのトトロの企画段階では主人公は一人の女の子でした。
公開の時間は60分と普通の映画より短めの予定でしたので、トトロと関わる人物は一人の女の子だけで十分なはずでした。
ただ、当時「となりのトトロ」は単体の公開ではなく、「火垂るの墓」という作品と同時上映でした。
「火垂るの墓」も60分の公開予定でしたが、尺がどんどん長くなり最終的に90分となりました。
宮崎駿監督は、火垂るの墓を手掛ける高畑勲監督に対抗意識を燃やしていましたので、となりのトトロの上映時間も60分から80分以上へと延ばされることになりました。
どうやって20分延ばすかという議論で宮崎駿は【主人公を姉妹にすれば20分くらい延びるだろう】といって、「サツキ」と「メイ」の姉妹が登場しました。
主人公を2人にしたい理由は他にもあり、主人公の女の子とトトロが出会う場面を『雨のバス停の時』と『昼間の時』という2場面を思いついてしまい、女の子が1人より2人姉妹の方がしっくりくるという理由も「サツキ」と「メイ」誕生のきっかけとなりました。
(主人公を2人姉妹にすることで2場面とも採用できるため、尺を延ばすことは宮崎駿にとっても都合が良かったといわれています。)
となりのトトロのポスターには謎の人物が描かれている
となりのトトロの映画ポスターはスタジオジブリ公式サイトで確認する事ができます。
となりのトトロ - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI
何度も見た事があるポスターなのですが、ちゃんと意識して見ると映画に登場しない女の子がバス停に立っています。
前項の雑学で「企画段階では主人公は1人の女の子」という事をご紹介いたしましたが、その女の子のイメージだと思われます。
サツキの髪の色と服の色で、メイのような顔つきと髪型です。
2人の特徴が合わさった女の子ですが、映画に登場しないキャラクターが映画告知のメインのポスターに登場するのは非常に珍しい事です。
となりのトトロは企画段階で「所沢のとなりのオバケ」というタイトルだった
となりのトトロは企画段階では『所沢のとなりのおばけ』という企画名でした。
所沢といえば埼玉県の地名ですが、所沢市の地名にちなんだ描写がいくつか登場します。
サツキとメイが住んでいる家は「松郷」(所沢市松郷にちなんでいる)にありますし、ネコバスに表示される「牛沼」(所沢市牛沼にちなんでいる)も実際にある地名です。
トトロの舞台は埼玉県所沢市で間違いなさそうです。
実際に所沢市にはトトロの森という場所があり、遊歩道とトトロの像があります。
トトロという名前はメイの誤解だった?
メイが小トトロと中トトロを追いかけていき、その後大トトロで初めて出会うのですが、その時にメイはトトロに『あなたはだあれ?まっくろくろすけ?』と質問します。
それに対しトトロは大声で「ドゥオ ドゥオ ヴォロロロロロ!!」と返事をして、メイが「トトロっていうのね!」と勘違いをします。
実はこれ、トトロは「ネムイヨーッ」と大声で応えただけだったのです。
となりのトトロのこのシーンを絵コンテ確認してみると、トトロのセリフの箇所に「ネムイヨーッ」と記されています。
トトロからしたら気持ちよく寝ていたのにいきなり人間の子供が来て起こしてくる訳ですから、そりゃ「眠いよーっ」って言いたくなりますよね?
トトロの本当の名前、それは次項でお伝えします。
トトロの本当の名前と年齢は?
メイちゃんの誤解によって「トトロ」と名付けられてしまった大トトロですが、企画段階では名前と歳が決まっていました。
それがこちらです!
名前と歳
大トトロの名前「ミミンズク」で1302歳
中トトロの名前「ズク」で679歳
小トトロの名前「ミン」で109歳
隠れコラム「オカリナ=ホーホー=ミミズク・・・」
メイの声優が途中交代していた
とても特徴的なメイの声ですが、「坂本千夏」さんが担当しています。
ただ、一部分だけ声優さんがすり替わっていたんですが、皆さんは気づいていますか?
実は一部分だけ「ちびまる子ちゃん」のまる子や「まじかる☆タルるートくん」のたるるーと役などで有名な声優の「TARAKO」さんが担当しています。
ちなみにどのシーンを担当しているかというと、物語の中盤でお母さんの退院が延びたという知らせをサツキとメイが受け、サツキがメイに「メイのばか! もう知らない!」と言って走り去ったあと、大泣きして「おねえちゃんのバカー!」というシーンです。
TRAKOさんは他にもサツキの友人役で出演されています。
非常に短いセリフですが、今後トトロを見られる際は注目してくださいね!
「バイバーイ」「まったねー」という台詞を言うみっちゃんの右隣のいる女の子の声を、「ちびまる子ちゃん」でお馴染みのTARAKOさんが演じています。#となりのトトロ #金曜ロードショー pic.twitter.com/64ItWx30Q3
— キャッスル (@castle_gtm) November 4, 2016
トトロは別のジブリ作品にも登場している
1994年の7月に公開されたスタジオジブリの作品「平成狸合戦ぽんぽこ」にトトロが一瞬登場します。
映画の終盤でタヌキたちが妖怪に化けて百鬼夜行を行うのですが、そのシーンに登場します。
ちなみにとなりのトトロに登場するまっくろくろすけ(ススワタリ)は千と千尋の神隠しにも登場します。
トトロは自然の作画に物凄くこだわった作品
となりのトトロでは自然の描写が非常に美しく、森や草木の描写が印象に残っている方も多いかと思います。
森は精霊や神様が棲む場所であり、神秘的でありながらも少しの怖さを含んでいるイメージだと思います。
そのような表現を美術で表現し、場面によっては森が優しくも恐ろしく、神秘的で幻想的に描かれています。
自然の緑を構成する植物は大木から名も知らない雑草まで無数にありますので、美術監督の男鹿和雄氏は野に咲く花や草を観察して参考にし、更には普段気にも留めないような雑草まで研究して背景画を描いたとの事です。
トトロは海外のアニメ作品にも登場している
となりのトトロの大トトロは『トイ・ストーリー3』に出演しています。
ピクサーのチーフ・クリエイティブ・オフィサーの「ジョン・ラセター」は1980年代から宮崎駿監督と交流がありました。
2人は約30年来の友人関係でしたので、トイストーリー3でコラボが実現しました。
となりのトトロは興行収入的に大失敗の作品だった?
いまでこそ大人気アニメ映画として認識されているトトロですが、公開当時は思うように客を集められず、興行収入的には大失敗の作品でした。
興行収入は11.7億円ですが、火垂るの墓と同時上映であり、製作費がトータル12億円かかっていた為、3000万円の赤字でした。
理由は「火垂るの墓」との同時上映にありました。
キャラクターが可愛く、のんびりした雰囲気もある「となりのトトロ」に対して、戦争を取り扱って時に残酷な描写があり、主人公が死んでしまう「火垂るの墓」は娯楽からは離れたものでした。
映画館では子供は泣き叫び、大人も精神的にショックを受ける方が大勢発生しました。
火垂るの墓は作品としては非常に良い物なのですが、見る人を選ぶ映画です。
ましてや主人公が子供であり、その子供たちが戦争により病に蝕まれていく描写は人によってはトラウマになると思います。
二本の作品は日本のアニメーション業界に爪痕を残す非常に優れた作品ではありますが、興行収入が赤字となり、スタジオジブリは窮地に立たされることになりました。
以降の日本映画の常識として「異なるタイプの映画を二本立て上映すること」はタブーとなりました。
興行収入的には大失敗に終わったトトロですが、キャラクター人気によるグッズの販売収入は相当なもので、スタジオジブリの売上を支える稼ぎ頭となっています。
グッズの売上はなんと1,000億を超えているとの事で、興行収入の100倍超えです。
現在もトトログッズは子供を中心に愛されています。
日本だけでなく、世界でも愛される作品とキャラクターになっています。
ジブリの長編アニメの資金のやりくりができるのが「となりのトトロ」を筆頭としたキャラクター商品が根強い人気を維持しているからなのです。
グッズの他にもDVDやビデオソフトが約200万本の驚異的なセールスを記録し、DVDがオリコンチャートで前人未到の600週連続ランクインという快挙も達成しています。
売れに売れたトトロ人形
前項の雑学と類似にはなりますが、トトロのぬいぐるみは売れに売れました。
どれくらい売れたのかですが、映画公開時の宣伝用に販売されたぬいぐるみは約66万7千個売れたとの事です。
映画公開から3年後のぬいぐるみの売り上げも驚異的で、主役のトトロは約100万個、青い中トトロと白い小トトロは合わせて60万個、メイちゃんやサツキ、ネコバスなどが50万個売れたとの事です。
当時からぬいぐるみを販売している株式会社サン・アローは現在も「となりのトトロのぬいぐるみ」を販売しています。
隠れコラム「うちにも5個ぐらいあるw」
サツキとメイの死亡説(都市伝説)はウソ
となりのトトロが公開されてから十数年後、ある噂が流れ始めました。
「サツキとメイは物語の後半ですでに死んでいて、魂の姿を描写しているんだ・・・」
ネットの普及とともに急速に拡大した都市伝説で、まだ信じている方もいらっしゃるとは思いますが、安心してください、大ウソです!
サツキとメイが死んでいるという都市伝説となった理由は以下の通りです。
都市伝説となった考察
・トトロはトロルを連想させる死神で、トトロに会った人間は死が近いか死んでいる
・ネコバスは魂をあの世へ運ぶ乗り物
・メイは行方不明になった時にすでに水死。物語の後半からメイの影が無くなっている
・サツキとメイがトウモロコシを届けたのに母親に会わず、病気の母親が気配を感じてサツキとメイがいる木を見るが何も見えない
こう聞くと、都市伝説通りにメイとサツキが死んでいるように思えてきます。
当時相当数の問い合わせがジブリに寄せられましたが、鈴木敏夫プロデューサーが否定しています。
トトロのストーリーはエンディングの「おしまい」の文字が出るまで続いています。
エンディングではお母さんが帰ってきて一緒にお風呂に入る描写がありますし、「三匹の山羊」という絵本を布団で読んでもらっている描写もあります。
これは宮崎駿監督自身の手で描かれています。
宮崎駿監督は「この『トトロ』だけは、はい、おしまい。めでたしめでたしで終わるんです」とトトロ製作中にも発言されています。(講談社 ふたりのトトロより)
トトロの後半、メイの影が無い理由
前項でトトロの都市伝説を否定しましたが、都市伝説の原因となったのはトトロの後半でメイの影が無い部分があったからでした。
影が無いからすでに死んでいるのでは?との噂が広まりましたが、理由はありました。
宮崎駿監督は「あれ(影がないの)は影の処理の定番である半露出撮影だと手間がかかるから簡略化した結果なのだ」と言われています。(鳥影社 宮崎駿の時代―1941~2008)
トトロは火垂るの墓に対抗して本来の尺より20分も延びた為、作画に関して時間を短縮しないと締め切り日までに間に合わなかったという事情もあるようです。
山形県にトトロそっくりな木がある
山形県にはとても大きくてトトロにそっくりな形をした木が生えています。
場所は山形県最上郡鮭川村小杉で、「小杉の大杉」と言われています。
藩政時代からの由緒ある木とのことで、夫婦で見ると子宝が授かると言われています。
スタジオジブリのシンボルマークにトトロが採用された
スタジオジブリの中でも一番の人気キャラクターとなったトトロは、スタジオジブリのシンボルマークにも採用されました。
ジブリ映画にはブルーバックにトトロが描かれたものが使用されるようになり、以前の作品がビデオやDVD化される時も本編に追加されるようになりました。
Twitterやラインの公式アカウントにもトトロがアイコンに登場しています。
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) July 14, 2021
まとめとおまけ雑学
いかがでしたか?
あなたが知らないとなりのトトロの雑学はありましたか?
15種類選んで記載しましたが、書ききれなかった雑学もいっぱいありますのでおまけとして短く紹介しますね!
おまけ雑学
・火垂るの墓に登場する昆虫の蛍は出てこない
・作画枚数は驚異の48743枚
・オタマジャクシの動画制作に一か月以上かかっている
・ネコバスは昔、かご屋に化けていた
・ネコバスに表示される七刻山病院の「院」の字が逆に表示され、ネズミが気づく
・・・まだまだ雑学はありそうですがこの辺りで終わりますね!
雑学を知った後は必ずとなりのトトロを観てくださいね!
もっともっと「となりのトトロ」が楽しめますよ!