道端で不幸にも亡くなってしまったカマキリ、その横には黒くて長い針金の様な虫が…
子供の頃、死んだカマキリの腹から黒くて長い「ハリガネムシ」を見た事があるという方は多いかと思います。
ハリガネムシは線虫の仲間で、ハリガネムシ目に属して世界中で300種近くが知られています。
このハリガネムシ、とても奇妙な一生を送るのです。
今回のゆるコラムではその奇妙なハリガネムシの一生をご紹介します!
ハリガネムシの一生
ハリガネムシはまず淡水で卵から孵化します。
幼虫の時代にカゲロウやユスリカなどの幼虫に食べられて寄生します。
宿主が幼虫から成虫になって陸に上がり、カマキリに食べられるのを待ちます。(キリギリスやカマドウマなどにも食べられる)
宿主がカマキリなどに食べられた時に、ようやくハリガネムシはカマキリなどに寄生します。
隠れコラム「ぎょう虫検査っていつの間にか消えたよね?尻にフィルムあてるのなんか恥ずかしかった。」
カマキリの脳を操るハリガネムシ
ハリガネムシが寄生すると宿主であるカマキリ(キリギリス等も)は生殖機能を剥奪されます。
しかもそんなエゲツない仕打ちをした上で更に宿主の脳を操り、自殺に追い込みます。
カマキリなどに寄生したハリガネムシは秋頃になると繁殖のシーズンを感じ、宿主の脳を操り、水辺へ向かわせて水の中に飛び込ませます。
溺れるカマキリの腹から水の中に戻り、卵を産むというサイクルを繰り返します。
大体そこでカマキリは力尽きるのですが、まれに生還する強者も存在します。
どうやってカマキリやキリギリス等を操って水辺まで導くのかはまだ不明ですが、寄生されたカマキリの脳内で特殊なタンパク質が発見されており、それが水を求める原因なのではないかと推測されています。
干からびたハリガネムシはどうなるの?
水場にたどり着く前にカマキリが死んでしまうことがあります。
カマキリの死骸の横にカラカラに干からびたハリガネムシを見かける事もあったかと思います。
この乾いたハリガネムシに水をかけると元通りに動き出す事があるそうです。
雨が降って側溝を流れる水までたどり着ければなんとか自分の役目を果たせそうです。
結論
ハリガネムシはカマキリを操り水没させる怖い寄生虫だった